テクノロジー
総務省は10月1日、オール光ネットワーク(APN)の実証基盤環境「APNイノベーションハブ」を10月5日に開設すると発表した。同日から利用予約の受け付けを始め、特設サイトも公開した。東京・大手町、新宿、神奈川県横須賀の3拠点を約230キロの環状の光回線で結び、利用者は最大で毎秒800ギガビットの接続口からこの網につなげる。光でつないだ複数のデータセンターに置かれたGPU(画像処理半導体)を使う計算環境も用意し、AIの学習や推論を遠隔で動かしたときの性能を確かめられる。回線とGPUの利用料は無料で、企業や大学、スタートアップが対象となる。メイン拠点は新宿で、自社の機器を持ち込めるほか、インターネット経由でのリモート検証もできる。事業の財源は令和7年度補正予算の「オール光ネットワーク技術開発の促進及び普及・拡大」70.0億円。総務省は並行して全国8都市でアイデア創出の催しを開いており、10月2日に札幌、10月14日に東京で開く回を募集中としている。
経済・ビジネス
金融庁は9月30日、株式などの「高速取引行為」の動向について2026年1〜6月分を公表した。コンピューターのプログラムが自動で売買注文を出す高速取引を手がける登録業者は、2026年6月末時点で52者。この半年で新たに1社が登録し、2者が廃業した。東京証券取引所に上場する株式では、2026年6月の新規注文22億4600万件のうち84%にあたる分を高速取引業者らが出しており、取消注文では90%を占めた。一方、実際に売買が成立した約定件数では39%、売買代金では38%にとどまり、注文を大量に出しては取り消す取引の姿が数字に表れている。大阪取引所の先物・オプションではさらに比重が大きく、新規注文の99%、取消注文のほぼ全てを高速取引業者らが占める。高速取引は2017年5月の金融商品取引法改正で登録制の対象となり、2018年4月から金融庁が実態把握を続けている。
経済・ビジネス
日本銀行は10月1日午前8時50分、第210回の全国企業短期経済観測調査(短観・2026年9月調査)を公表した。景気の現状を示す業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がプラス24で、6月調査のプラス22から上向いた。6月調査の時点で企業が予想していた9月の水準はプラス17で、実際はそれを上回った。一方、大企業・非製造業はプラス37からプラス35へ下がった。中小企業は製造業がプラス9からプラス14へ改善し、非製造業はプラス15で変わらなかった。全規模・全産業はプラス18からプラス21に上がった。2026年度の設備投資計画は全規模・全産業で前年度比7.6%増となり、6月調査の6.8%増から上方修正された。借入金利の水準を「上昇」と答えた企業の割合から「低下」を引いたDIは、中小企業で61から70へ拡大し、12月までに74へ上がる見通しとなっている。調査は8月26日から9月30日までに9104社が回答した。
政治
政府は9月30日、地域未来戦略に関する関係副大臣等会議の第7回を首相官邸で開き、都道府県や市町村がつくった産業振興の計画を高市首相へ報告した。新たに報告されたのは、茨城・神奈川・岩手・栃木・奈良・島根・愛媛の7県による「地域産業クラスター計画」10件と、北海道芽室町・鳥取県智頭町による「地場産業成長プラン」2件である。地域未来戦略は7月21日に閣議決定された政府の地域政策で、産業の規模と主導者によってA・B・Cの3類型に計画を分ける。内閣官房が公表している計画は、A14件・B31件・C7件の計52件で、7月末からの2か月で大きく増えた。計画期間は2030年度までで、377施策にKPIを設定する。今後、B・C両計画は月1回程度の頻度で知事や市長らが報告する。
政治
国民民主党は10月1日、9月6日に実施した代表選挙で投票用紙が届かない事態が相次いだ問題について、党の代表選挙検証委員会がまとめた報告書(公表版)を公式サイトで公表した。報告書の日付は9月30日で、委員長は足立康史参院議員、副委員長は西岡秀子衆院議員と礒﨑哲史参院議員が務めた。投票用紙の発送対象は党員・サポーター4万5155人で、9月17日15時現在の返送は3561件、返送率は約7.9%にのぼった。前回2023年の代表選挙の返送率は約3.0%で、そこから悪化した。返送された3561件のうち、電子投票に必要な情報が送られたのは440件にとどまる。支部が党員・サポーターを党の名簿システムに登録しなかったために有権者名簿に載らなかった人は、計39支部で4423人に達した。報告書は原因を特定の担当者の過失ではなく「党の仕組みと体制の不備」と認定し、4万人を超える名簿の管理を実務上2人で担っていた体制を「現実的ではない」と指摘した。代表選の結果そのものは「変わらなかったものと推測される」としたうえで、「結果に影響がなかったことをもって、本代表選挙で生じた問題を軽く扱うことは許されない」と記した。
政治
消費者庁は10月1日、公益通報者保護法で通報の対象となる法律の一覧表を更新し、対象が510本になったと公表した。6月1日現在の509本から1本増え、加わったのは同じ10月1日に施行された「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」(令和7年法律第42号)である。いわゆる能動的サイバー防御の中核となる法律で、施行期日は令和8年政令第46号で定められていた。対象法律は令和6年10月23日現在の501本から2年で9本増えた。同じ10月1日、消費者庁はさらに2本を加える政令改正案の意見募集も始めた。こども性暴力防止法と、民事裁判情報の活用の促進に関する法律である。公益通報者保護法は、通報を理由とする解雇に刑事罰を新設した改正法が12月1日に施行される。
暮らし
サプリメントなどに「亜鉛は、味覚を正常に保つのを助ける栄養素です」といった表示ができる栄養機能食品について、表示ルールを定めた食品表示基準の別表第11が10月1日に改正された。内閣府令第89号が同日公布・施行された。1日当たりの摂取目安量に含まれる成分量の下限値は9成分、上限値は3成分で変わり、亜鉛の上限は15ミリグラムから17ミリグラムへ、銅の上限は6.0ミリグラムから4.6ミリグラムへ、マグネシウムの上限は300ミリグラムから320ミリグラムになった。下限値はカルシウムが204ミリグラムから210ミリグラムへ上がり、鉄は2.04ミリグラムから1.95ミリグラムへ下がるなど増減が分かれた。あわせて、成分の機能を説明する文言と摂取上の注意事項も見直された。亜鉛は「味覚を正常に保つのに必要な栄養素です」が「正常に保つのを助ける栄養素です」に改められ、「たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ」とする文は削除された。経過措置として、令和12年3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品などは従来の表示のままでよい。
暮らし
消費者庁は9月30日、景品表示法に基づく法的措置件数の推移を2026年8月31日現在の数字で公表した。うそや大げさな広告をやめさせる「措置命令」は、国が出したものが2025年度に13件で、2023年度の44件から3年で3分の1以下に減った。2017年度の50件がピークで、2015年度の13件と同じ水準まで戻った。一方、2024年10月1日施行の改正法で導入された「確約手続」による確約計画の認定は、導入初年度の1件から2025年度は8件に増えた。課徴金納付命令は制度開始から10年余りで累計133件で、2026年度はまだ出ていない。都道府県等による措置命令は累計64件で、東京都17件、大阪府14件、埼玉県13件に偏り、31道府県は一度もない。
テクノロジー
情報処理推進機構(IPA)は10月1日、国家資格「情報処理安全確保支援士」の2026年10月1日付の新規登録者が756人、登録者総数が2万6424人になったと公表した。総数は半年前の2026年4月1日時点の2万6453人から29人減っており、IPAが現行サイトで半年ごとに公開している2023年4月1日以降の推移では、総数が減ったのは今回が初めてである。新規の756人も、同じ推移のなかで最も少なく、半年前の1859人の半分以下にとどまった。この資格は登録日から3年で有効期限が切れる更新制で、更新には毎年義務づけられた講習を計4回すべて修了する必要がある。2026年度の支援士試験は10月17日からの実施でまだ終わっておらず、新規登録の母数となる新しい合格者が出ていない。
政治
自衛隊に入る人の最初の身分だった「自衛官候補生」の制度が、10月1日に廃止された。9月25日の閣議で決定された政令第307号が9月30日付の官報(号外第215号)に公布され、防衛省設置法等の一部を改正する法律(令和7年法律第44号)附則第一条第七号に掲げる規定の施行期日を令和8年10月1日と定めたためである。自衛官候補生は、任期制の自衛官として任用される前に教育訓練を受ける身分で、自衛隊法第36条第3項により任用期間は3か月を基準として防衛省令で定められていた。同条第4項は「自衛官候補生の員数は、防衛省の職員の定員外とする」と定めており、入隊直後の期間は定員の外に置かれていた。改正ではこの第2項から第4項までが削られ、入隊した人は初日から自衛官として任用される。あわせて、都道府県知事と市町村長が担う募集事務を定めた第97条第1項、地方協力本部の事務を定めた第29条第1項、制服の着用義務を定めた第58条第2項などから「自衛官候補生」の文字が消える。根拠となる改正法は第217回国会に内閣が提出した閣法第16号で、令和7年4月24日に衆議院、5月に参議院で可決され、5月28日に公布された。施行期限は公布から1年6か月以内で、10月1日はその期限より約2か月早い。